内容(「BOOK」データベースより)
古語とは何か。「明治維新以前の言葉」ではない。江戸時代には『源氏物語』の言葉が、平安時代には『万葉集』の言葉が古語であったように、今後も書き換えが続いていくのである。江戸中期、初めて「古典をその時代の言葉で読む」方法が確立する。賀茂真淵、本居宣長らによって夥しい古語が読まれ、解釈され、『万葉集』や『古事記』は庶民に近くなる。その過程で生まれた仮説や誤りの謎を解き、言葉の本質を考える。
第1章 創作される人麻呂歌―「ひむがし」が歌語になるまで
第2章 「秘す可し」を乗り越えて―近代化する古典学
第3章 幻の万葉語たち―江戸時代に生まれた古代語
第4章 濁点もばかにならない―架空の古語の成立
第5章 銭湯の古典談義―大衆化する古学
第6章 発見の時代―古学の充実
第7章 鈴虫はちんちろりんと鳴いたか―古学の呪縛
第8章 古典解釈の江戸と京都―反古学派の古典享受
終章 作者自筆本という幻想―古学の限界